マスクまだ付けてますか

6月も末になり、ずいぶん暑くなってきました。まだ梅雨なので雨が降っているときは気温もそれほど上がりませんが、晴れてくると一気に気温が上がってきて半袖じゃないと暑すぎる感じになってきています。

そして暑いのにまだマスクをしている人が数多くいて、マスクをしない派の私から見ると、何でいつまでもマスクしているんだろう?と思ってしまいます。

このマスクの着用率は関西ではまだ70%以上の人がしている感じですね。関東圏はもう少し低い感じでしょうか。いずれにしてもまだほとんどの人がマスクをしているのは何でなんでしょうか?

マスクの着用に関しては今年の3/13日から厚労省が「本人の自由にしたらいいですよ」というお達しを出し、コロナについても5/8から感染症法上の5類に引き下げられてインフルエンザなどと同じ扱いになりました。言わば病理学的にはマスクをずっとつける必要性は一部の方を除いて無いのですが、それでも多くの人がマスクを着け続けている状態です。まぁ「本人自由」ですから、付け続けていても問題はないんですけどね。

この状態は3/13日前から出来るだけマスクを着けないようにしていた私から見ると非常に不思議な状態なんですが、たぶん単にコロナが怖いからマスクを着けているのとは違う意味合いがあるんじゃないかと思います。

このマスクを着け続ける点については、よく集団圧力であるとか、周囲の目を気にして・・的なことが言われていますが、たぶんそれだけではないポイントが隠れているんじゃないかと思います。

まあそのポイントは何なのかと聞かれても明確な答えは持ち合わせていませんが、このようにマスクを着け続けているのは日本だけという事を考えるといくつかの可能性が見えてくるんじゃないかと思います。

仕事柄、東南アジアをはじめとした諸外国に行くことがありますが(コロナ以後はなくなった!)、そこでよく感じたのも日本または日本人の特異性です。日本にいると、日本が正であって海外の考え方が異質と言う場合が多いのですが、実際には日本だけが諸外国と違っているのであり、日本だけが異質なわけです。実際に欧米系の人の考え方と中国人の考え方は非常に似てますし、東南アジアの人も基本的には欧米的な考え方に近いように感じます。多分これは駐在など長期で海外に滞在した人なら同じような感覚ではないかと思います。

それでは諸外国と違う日本的な考え方は何かというと、「継続性」「協調性」「統一性」などに加えて「リスクを恐れすぎる」と言う所じゃないかと思います。「リスクを恐れすぎる」ことは結構身の回りにたくさんあって、周りの目を気にする、他の人と同じ物を選ぶ、などと言ったこともリスクを恐れるという事になるんじゃないかと思います。

今回のマスクの件で言えば、マスクをすればコロナの感染を防げるという考え(実際には全く効果はありませんが)や、マスクを外していたら非難されるんじゃないかという考え、周囲から変わった人と思われたくない、など自分に振りかかるであろうリスクを排除していった場合に、「とりあえずまだマスク付けといた方がいいだろう。」という考えになるのではないかと思います。

この傾向はマスクだけではなく日常的にも、会社業務においてもよくあらわれますね。いろいろとアイディアは持っているのに会議で発言できない、いろいろと検討する時もついつい安全をとってしまう。設計などでも計算上は大丈夫だけど念のためにもう一段厚めにしておく、また投資などにおいてもリスクの高い案件はやめておく(発生するリスク>成功した場合に得られる利益)、ついスモールスタートを選んでしまう等です。つまり超ローリスク・ローリターンを選ぶ傾向が非常に強いのが日本人の特性というとこじゃないでしょうか(投資よりも貯金を選ぶ感性という事にもなります)。

ただリスクを恐れることは健全なことだとは思いますが、恐れすぎても前に進まないのも事実ですから、一定の水準に来たら思い切って行動してみることが必要なんじゃないかと思います。

マスクについても思い切って外してみれば、思ったよりも周りの反響は少ないという事になると思うので、やってみたらどうかなと思います。

ちなみに「マスクを着けるのが好き」もしくは「この方がメリットが大きい」だから付けているという人は、そのままつけておいたらいいじゃないかと思います。個人の自由ですからね。