中国のカントリーリスク

中国が日本と韓国に対してビザの発給を停止し、大きな問題になっています。

その原因として、中国人に対する日本の水際対策の強化が差別的だからと中国の報道官は言っていますが、欧米やオーストラリアなどでも同じような措置をとっているのに、日本と韓国にだけこのような措置をとることは、それこそ差別的ですね。

まあ水際対策の件はあくまでも建前で、実際には日本の防衛予算増額、敵基地攻撃能力の保有など急速な対中国軍事シフトに加え、岸田首相の急速な対米追従に対する対抗措置というところでしょう。あまり騒がれていませんが、今回のこの日本の措置は過去の内閣だったら超大騒ぎになるレベルの話なんですが、なんか今回はすんなりと話が決まりましたね(ウクライナ戦争の影響はやはり大きいという事でしょう)。

ちなみに現在の日本に対するいやがらせは入国ビザの発給停止ですが、ネット情報などによると春節の直近での訪日禁止措置が出るかもしれないと中国では噂されているようで、行き先を日本から他国へ変更している人も結構いるようです。

そのため、春節における訪日観光客は想定より低くなるんじゃないかと言われています。コロナ前の訪日客の20%から10%程度になるとも予測されていますね。かつての中国人観光客による爆買いの再来を期待していた人にとっては残念な結果になるんじゃないかと思います(まぁ私はそのほうが嬉しんですが・・)

今回の件も含めて、中国という国のカントリーリスクは否応なく増大していっていますね。ここ数年だけでも香港問題やコロナによる激しいロックアウト、オーストラリアに対する輸出制限(結局中国が負けましたね)、習近平の3期目突入(国家レベルのルールも破られる)、そして本命になりそうな台湾問題などです。

加えて中国自体の人件費の上昇を考えると、もう中国から撤退するしかないんじゃないかと思います。多分2023年は中国からの撤退が急速に進む年になるんじゃないでしょうか(既に脱中国の動きは始まっていますが・・)。仮に工場は残したとしても、できるだけ中国人中心のオペレーションに切り替え、日本人はすべて帰国させるような取り組みが必要になると思います(企業収益上の問題に加えて、日本人を中国に置いておくこと自体がリスクになる)。

この動きは日本の円安が加速することになると思いますが、脱中国の代替としてはぜひ日本に工場を復帰させてほしいと思っています。代替地として東南アジアを対象にするところが多いと思いますが、もう一度日本に生産を戻して「ものづくり大国日本」を復活できれば、日本経済も間違いなく成長軌道に戻ると思います。

現在中国に進出している企業にとって中国撤退はそう簡単にできることではないと解っていますが(実際に色々な話を聞いています)、手遅れになる前に動き始めることも必要なんじゃないかと思います。