緊急事態宣言解除!

やっと緊急事態宣言が解除されました。まだ都道県単位での要請が残っている所もありますが、基本的には(精神的には)解除されて本当に良かった!と言う感じです。

そもそも今年は昨年以上にずっと緊急事態宣言もしくはマンボウでしたから、経済的にも相当なダメージがあったのではないでしょうか。実際に私どもの会社がある大阪の西中島でも倒産?した飲食店が結構あります。飲み屋さんなども看板を取り外している所やビルの壁面にあるライト付きの看板が裏返しにされている所などもかなり見受けられますから、大きなダメージを負ったのは間違いないでしょう。

そもそも飲食店は代表する団体も無いので政治的な発言力が全くないのもこうなった原因の1つだと思います。医師会などは政治献金を多額に行っていますから発言力も強く、多額の補助金をもらいながらコロナ患者を受け入れない病院の問題なども何となくなし崩し的に放置されてしまいそうな感じですね。この辺は新しい首相になったらしっかりと追及してほしい所です(岸田さんでは無理かな?)。

今回ここまで緊急事態宣言やマンボウが長く続いてしまった原因の1つは感染症学者を中心とした”感染させない”と言う政策にあったのではないかと思います。まあ正確に言うと政府のコロナ分科会は提言するだけで、その提言を受けて政治家が判断するわけですが、政治家も官僚も提言と違う事は言いにくいですから(責任を取りたくない!)結局提言通りの判断しかできないことが大きな原因だと思います。

まあ感染症の専門家ばかりが集まったら先に言ったような”感染させない”政策を選ぶのは当然といえば当然ですから、そもそもの分科会のメンバー編成に問題があったのではないかと思います。もう少し経済的な視点から意見が言える人を感染症学者と同数近く入れないと(危機管理や安全保障関連の人も含めて)正しい結論には到達できなかったのではないかと思います。

この組織の問題は一般的な企業においても非常に重要な問題と言えると思います。改善活動などにおいても組織の作り方次第で成功するかどうかが半分決まったようなものと言うことが出来ます。特にポイントになるのは改善活動の中心になって活動を進めるリーダー(アステックでは専任と言う)と意思決定権者(最終決定を下せる人)であり、この2名が非常にしっかりしている企業では改善自体が非常に速く進みますし、成果も非常に大きなものが出る場合がほとんどです。ですから活動スタート時に活動リーダーと意思決定権者にしっかりとした人が付いたらほぼ成功が約束された活動になるという事ですね。社長を含めて企業トップにお願いしたいのは、このようなメンバーをしっかりと選ぶという事です。先のコロナの分科会のように偏った人だけで構成されてしまうと出るべき成果も出ませんから、注意してほしいと思います。

活動リーダーだけがしっかりしている場合にはいわゆる小改善系の成果は非常によく出ますが、大きな改善は中々進まないという事になります。良く言う所の小集団活動的なものはモチベーション高く進められるのですが、各種の投資や決裁が必要な大きな改善は進まないことが多いんですね。このような企業では1年目はそれなりに活動が進むのですが、2年目あたりでは中だるみになり活性が低下してくるところがほとんどです。この後トップ層の関与などにより巻き返せればよいのですが、巻き返せない所はせっかく決めたルールも守れなくなり活動前の状態に戻ってしまう所も出てきます(アステックがコンサルティングしている所では絶対にこうはさせませんが)。よく先生が来ているときはそれなりに改善は進んだが、現在は元に戻って当時の痕跡もあまり残っていないという企業はまさにこのパターンと言うことが出来ます。

逆に意思決定権者は非常にやる気があるが、活動リーダーがそうではない場合に表れる現象は「活動の進捗が非常に遅くなる」という事です。意思決定権者が色々と動くため活動自体は止まらずに何とか進んで行きますが、そもそも活動自体の活性が低いために中々進んで行かないのです。これは教育が足りない企業でも良く発生する現象で、そもそも活動メンバーが”何のためにこの活動をやっているのか””これをやったらどんなことが起きるのか”という事を全く理解せずに活動に参加するため、常に頭の中で?と思いながら動いているわけです。このような企業においては「教育活動」が非常に重要なキーになりますから、コンサルタントもその辺を考えながら対応して行く事になります。

そして活動リーダーも意思決定権者もあまりやる気が無い場合はどうなるかと言うと、ご想像の通り活動は中々進みません。このような場合はコンサルタントが中心となって活動を回していく事になりますが、やはり限界があるのは事実です。最終的にはトップと話し合って組織自体を変えて行く場合もありますが(例としては少ない)、再スタートには最初のスタート時の数倍の労力がかかりますから、出来るだけこのような形にしないように動いていく事が肝要ですね。

このように組織と言うのは非常に重要なものであって、活動が成功するか失敗するかと言うのはこの組織の作り方にかかっていると言っても過言ではありません。そういう意味でも組織つくりは慎重に行っていってほしいと思います。

ちなみに最初に話をしたコロナ対策についてですが、私は”感染させない”というフェーズから、”感染してもすぐに治療して重症化させない”と言うフェーズに変えて行くべきだと思っています。特に今回のコロナはRNAウィルスであり日常的に変異するものですから、変異しやすい突起部分(人の細胞にとりつく部分)を対象にしたワクチンで対応するのには限界がありますから、ウィルス自体の増殖を抑えるような治療薬を前提とした方針に変えて行くべきだと思います。そもそもウィルスの感染力が高くなった場合には毒性は低下して行くのが普通ですから、今回の5波のように感染力が強くなったウィルス相手に”感染させない”と言う方向で対応しようとすれば経済を止めるしか方法は無くなるわけですから、出来るだけ早い段階で”治療”を前提とする取り組みに変わって行ってほしいと思います。その点においてのみ新首相に期待したいところです。

まあ取り敢えず緊急事態宣言が解除になったので、思いっきり飲みに行こうと思っている今日この頃です。