DXレベル3について

高校野球が雨で順延の繰り返しで大変な事になっていますね。このままいくと決勝は9月になってしまうんじゃないかと思ってしまいますが、それもまた一興ですね。コロナでいろんな犠牲を払ってきたうえで大会に臨んでいるわけですから、最後までしっかりとやり切ってほしいと思います。仮に球児たちが授業に出るのが1、2週間遅れたところで、大勢に影響は無いでしょう。それよりも夢を追いかける方が有意義だと思いますね。

 

今までDXレベル1と2について書いてきましたが、今回はDXレベル3について話をしたいと思います。

ちなみに当社(アステックコンサルティング)で規定しているDXレベルは以下の通りです。

レベル1:社内で使っている紙データをデジタル化する段階

レベル2:デジタル化したデータを使って各種改善を行っていく段階

レベル3:デジタル技術を使って、業務フローを対象した改善を行う段階

レベル4:デジタル技術を利用して、会社全体の仕事の流れを再構築していく段階

レベル5:社外も含めてサプライチェーンの流れを再構築して行く段階、及び新たなビジネスモデルを構築する段階

DXレベル1は工場や社内における各種データをデジタル化するという段階でした。社内の紙帳票を電子帳票ソフトなどを使ってデジタル化するという事ですね。また設備の稼働率や停止時間、食品工場などでは職場の温湿度、冷蔵庫温度などをデジタル化しデータの蓄積をしっかり行っていこうという段階です。

DXレベル2では、収集したデータを集めて分析を行い問題点を抽出する。そしてその問題点を解決するように改善を行っていくというレベルです。

そしてDXレベル3になるわけですが、このDXレベル3からはレベル2とは改善の方向性が大きく変わってくるので注意が必要です。DXレベル1・2では基本的に単体の設備の稼働率やラインごとの生産性、職場別の生産性や就労時間など個別の作業や人、工程などを対象にデータを取って「見える化」「デジタル化」、そして問題部分の改善を行っていたと思いますが、DXレベル3からはその対象が「組織」や「仕事の流れ」に変わっていきます。いわゆる業務フローを対象として「見える化」「デジタル化」を行ったり、業務改善を行ったりする形に変わってくるわけです。つまりDXの対象領域がかなり広がることになり、まさに仕事の進め方や部門別の業務フロー全体を対象にした改善に変わっていくという事です。当然ながら直接部門、間接部門と言った垣根は薄くなり、仕事の進め方自体の変革を行っていくという事になります。

当然ながらIoTやICTの技術も使える部分では使う事になりますが、改善自体で言えば必ずしもこれらの技術を使う事は必須ではありません。一般的に業務フロー改善など大きな改善を行った後には新たな仕組みの固定化を行いますが、その段階で色々なツールを使ってシステム化して行っても問題はありませんので、無理から何かツールを使うというものではないと思ってください。今回説明しているDX化は、”DXには5つのレベルがある”のブログ記事で述べたように、最終的には会社の仕組みを変えてより低コスト体質な企業を作る事、企業としての収益性を上げて行く事が目的ですから、そこに近づくのであれば多少やり方が他社と違っていても何の問題もありません。

具体的にDXレベル3ではどんな取り組みを行うかと言うと、以下のようなイメージです。

①組織内、部門内の仕事のやり方を変えて、1つの仕事のに関与する人の数、組織の数を大幅に減らし(自己完結性アップ)、より短い時間で仕事が終わるようにすること。

 ②文書数の削減と2次情報を含む報告書の自動作成、報告書作成に関与する人の数、時間数の削減

③スケジューラや他システムの活用により緻密な生産計画の立案及び計画に沿った進捗管理、また時間レベルの緻密な業務管理の実施。

④AIや画像処理による検査工程の自動化、工数の大幅削減。各種新規技術を使った工数の大幅削減、人員削減など(新技術による工程革新)

RFIDによる在庫管理の簡素化、新たな在庫管理の仕組み構築。場内でのモノの移動の管理(棚卸しなくてもどこに、何が、どれだけあるか分かる)。

他にもDXレベル3の改善は色々ありますが、基本的にはDXレベル1・2よりも取組み範囲が大きくなるという事になります。当然それに伴って改善成果も大きくなるという事になりますが、同時に難易度も上がっていく事になります。通常このレベルの改善は社内でPJを組んで進めて行く場合が多く、担当者が数人頑張れば何とかなるというレベルではないので、しっかりと会社としての意思決定を行った上で進めて行くべきものです。

このDXレベル1・2とレベル3以上の間には非常に大きな壁があって乗り越えて行く事は大変なんですが、この壁を乗り越えて行かないと「DXを行って会社が大きく変わった」「低コスト体質になって利益が増えて給料も上がった」にはなりませんから、十分気を引き締めて取り組んで行ってほしいと思います。

 

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