DXレベル5+α について

前回までDXについて色々と解説を着てきましたが、今回はDXレベル5の別形態として考えられる「5+α」について書いていきたいと思います。

前回DXレベル5とはサプライチェーン全体通した業務フローの改善であり、最終的に中間業者を削減することによって得られる利益を最大化しようとする取り組みであることを説明しましたが、実はDXレベル5には別な側面での取り組みがあることも説明して行きたいと思います。

先に述べたDXレベル5が現状の仕事の流れ(ビジネスモデル)を対象にした取組みであるのに対して、DXレベル5+αとは新しい仕事の流れを創出する取組み、新たなビジネスモデルを作り出す流れと言うことが出来ます。それはITやICTなどの情報通信技術だけではなく、GPSやAI、ドローン、ビッグデータ解析など新しい技術を使って今までにない新しいビジネスを創出する取組みと言うことが出来ます。要は新しい技術を使った、新しいビジネスの創出がDXレベル5+αと言うことになります。ただ新しい技術が開発されるとそれを活用した新しいビジネスが生まれることは過去からの必然の流れであって、これをDXと呼ぶべきかどうかは議論が分かれる所ではないかと思いますが、DX自体が産業変革の波と考えられていることをから見てもそう呼んでも良いのではなかと思います(やや不明瞭な概念なので+αにしている)。

ただ現実問題としてデジタル技術やその他の新技術を基にした新しいビジネスがどんどん生まれていることは間違いないわけで、これらの新ビジネスを通じて社会が大きく変わろうとしていることも一つの事実です。例えばかなり以前から普及している音楽配信サービスやアマゾンのような宅配サービス、数年前から急速に普及しだしたウーバーイーツや出前館のような食事のデリバリーサービスやGoに代表されるタクシー予約システムなども言わばDXレベル5+αの取り組みであり、これによって従来の既存業界に極めて大きいダメージを与え、時には既存業界を壊滅させることも現実には起こっているわけです。

逆にDXによってビジネスモデルが大きく変わって行った例としては(株)コマツのスマートコンストラクションが上がられると思います。最初はコマツで作っている建機にPHSを使った発信機を取り付け、建機の稼働状況を知ることによって保守サービスの充実や新たな建機の売り込みを行おうとする取り組み(だったと思う)が、今や建設現場の自動化、無人化までを対象にした総合的なDXビジネスに成長しています。まさにデジタル技術を使って従来のビジネスモデルの変革から新たなビジネスモデルの創出にまで発展した事例と言えるでしょう。そしてこのような変化を遂げる企業はこれから続々と出て来るのではないかと思います。そして願わくはそれらが日本企業であってほしいという事ですね。

今まで述べてきたようにDXは産業構造を大きく転換させる破壊力を持った取り組みであるのは間違いありませんし、世間がその方向にシフトして行く以上対応できなければ取り残されて行きやがて終わりを迎えることになりかねません。私としては日本全体がDXの取り組みを行って構造的に低コスト体質になって行く事が必要なのではないかと思います。そうしないと海外産品の低コスト化に追随できなくなり、人件費コストの引き下げによってコストを下げるという最悪な取り組みしか行えなくなってしまう危険性が高いのです(もう既にそうなっている部分も多い)。やはりDXによって構造的なコストダウンを行う事によって社員の給与は維持したままで低コスト化に対抗して行くという考え方が必要なのではないかと思います。

また産業構造を変革することによって生まれた過剰人員は、それこそDXによって生まれた新しい産業に吸収してもらう事も必要です。つまりDXによる産業構造の変革とそれに伴って発生する人材の流動化が新しい産業の発展を促進し、新たな付加価値創造につながっていく事がDXの最終的な目的になるのではないかと思います。

まぁ最後はちょっと大きな話になりましたが、DXによって企業が低コスト化して行く事は紛れもない事実です。そのためまずは足元のDXレベル1・2から初めて数年後にはレベル3にチャレンジし、その後は将来プランの作成とともにより大きな変革を求めてレベル4・5に取り組んでいく事が必要であろうと思います。

ちなみにDXレベル1・2に関してアステックではDX基本セット(帳票の電子化ツール、設備稼働監視ツール、着完入力ツール)、及び応用セット(スケジューラ、在庫管理ツール、BPMソフト)を販売していますのでご気軽に声をかけてください。担当はスマート工場推進部です。

またDX3以上を目指し、抜本的な業務フロー改善やフローコストダウンを行う場合にはコンサルティングが必要になりますので、アステックの営業部門へご連絡ください。貴社に最適なDXの推進方法を提案、そして必ず成果につながるコンサルティングを実施いたします。