DXには5つのレベルがある

最近はDXについて色々な所で話を聞くようになりました。

その多くは自社もDXに取り組み始めたとか、新たなツールを導入し始めたというレベルもありますし、社長から指示があって色々と調査している、会社としての方針になったがまだ具体的には動けていないという会社もあります。ただ私が見聞きする中で実は大半の人が「DXって何?」「DXは何したらいいの?」「うちの会社でそんなこと出来るの?」といった反応が正直なところではないかと思います。

以前にもDXについて簡単な記事をブログにも載せましたが、「DXって何?」と思っている方々が多いのも事実なので、今後何回かに渡ってDXの記事を書こうと思います。ただあくまでもアステックコンサルティングとしての認識ですから、「他と違うやん」とか「新聞記事や雑誌記事と書いてることが違う」ということはあったとしてもご容赦ください。あくまでもアステック風のDXの解説です。

まず「DXって何?」という質問から答えたいと思いますが、これがなかなか難しい。実はDX(デジタル トランスフォーメーション)という言葉に明確な定義はなく、イメージだけが先行しているといっても過言ではないと思います。ちなみに経済産業省ではDXの定義について「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。

まあ解るような解らないような表現ですが、要はIT技術を使って社内の仕組みを変えて儲かるようにしていきなさいよ、そうしないと海外企業に負けてしまいますよ。ということだと思います。まあ、大きなお世話なんですが、世界中でICT技術を使ってビジネスモデルの変革が起こっていることは事実ですし、新たな技術を使うことによって今まで想定もすることも出来なかったような新しいビジネスが生まれているのも事実です。最近でいえばテレワーク普及のベースになったWebEXやスカイプ、ズームなどの通信アプリも数年前(コロナ)までは存在すら知らなかった人がほとんどではないかと思います。また電子マネーやPayPayなどの決済アプリも急速に広がっていますし、電子帳票やICTツールによるデジタル化の推進、請求書のWEB送付や経費精算の簡略化など今まで人がやっていた仕事をツールを使うことによって合理化し、生産性を上げる取組みをやり始めた企業も多いのではないかと思います。

このようにDXは新たなツールを利用しながら大きく生産性向上を実現させる取組といえますし(直接、間接問わず)、場合によっては新しいツールを使うことによって新しいビジネスモデルを構築していく取組ということもできますね。まあ実際には新しいビジネスモデルを構築するのはそう簡単にはできないでしょうから、当面はツールやシステムを使って社内の生産性を大幅に向上させる取組をDXと呼んで良いんじゃないかと思います。

イメージ的にDXについて分かってもらえたと思いますが、次に考えないといけないのはどうやって進めるの?具体的な進め方の手順は?ということになるかと思います。実際問題として導入するツールの手順を間違えたり、十分な検討を行わずにツールの飛びついてしまうと、結局使いこなせず最終的に誰も使わなくなったというパターンに陥る場合が多いので、やはり最初にしっかりと導入目的と導入手順を明確にしておくことが非常に重要になります(スケジューラやMES、RPAなどを導入したけど使いきれなかったという企業は要注意です)。

DXの導入についてまずしっかりと理解してほしいのは、DXには導入レベルがあって何の準備もなく上位レベルを狙っても確実に失敗するということです。下にDXのレベルについて書いた表を載せていますが、DXレベル1~5までをまずしっかりと理解してもらうことが大切です。

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DXの5レベル

このDXのレベルはアステックコンサルティングで使っているものですが、方向性としては間違いないと思いますし、比較的現実的に書いているので理解も得られやすいのではないかと思います。

この表を見てもらえば解ると思いますが、ますはしっかりとレベル1でデジタル化を進めていかないとレベル2にはなれないということです。つまりDXはいきなりレベル4や5を目指すのではなく、レベル1から積み上げていかないと上位レベルには到達出来ないということなのです。まぁ新たなビジネスモデルの構築を行う場合はいきなりレベル5あたりを狙う場合もありますが、その場合はその新たなビジネスモデルを立ち上げる人たちは深いITの知識を持っている場合がほとんどなので、これからDXを始めようとする人たちとは全く違った次元にいる場合がほとんどですね。

ずいぶん話が長くなってしまいました。今回はDXの概略の説明だけでしたが、次回からはDXのレベルについて説明していきたいと思います(何回かに分かれると思います)。

 

ちなみに8月24日と26日にDXのことを詳しく解説するセミナーを実施するので、よかったら参加してください。今回のセミナーはアステックコンサルティング設立20周年記念事業の一環として無料で実施するので大変参加しやすくなっています。

www.ast-c.co.jp

 

またついでに言うと、製造業における改善のノウハウや新時代の改善の考え方などを議論するためのフェースブックグループ「製造系KAIZEN研究所」もやってますので、よかったら覗いてください。

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