EVはどこまで普及する?

地球温暖化対策としてヨーロッパを中心にEV(電気自動車)の必要性が叫ばれ、雰囲気的には10年以内には全面EV化を進めるという声が聞こえてきますが、本当に全面EV化は実現できるんでしょうか?

日本では政府が2035年までに新車販売のEV化率を100%にすると言っていますし、EVの普及率が高いノルウェイは2025年、ドイツは2030年、イギリスとフランスは2040年までに新車販売のEV化率100%を達成すると言っていますね。

まあ現実的にこれらが可能かどうかは分かりませんが、世界的な潮流になっていることは事実です(私は無理だと思いますが)。

そもそもヨーロッパ諸国はCO2排出削減のためにと言っていますが、本当にEV化すればCO2は減るんでしょうか? まあ色々な試算があるので何とも言えませんが、EVに使う電気を化石燃料天然ガスなどで作るのならばCO2は減らないと思いますし、風力や太陽光ではそもそもコスト的に見合わないのでは?と思ってしまいます(そのそも地球温暖化の主原因はCO2なのか?・・・)

まあ私個人としてはこのEV化の波はEU各国の日本車つぶしのためなんじゃないかと思っています。過去からEU各国は日本に対して色々な参入障壁を作ってきました。そしてそれを日本企業がクリアすると更に新しい参入障壁を作るわけですね。

そもそもEVの前にはクリーンディーゼルが最高で、厳しい基準をクリアした車しかEUに入れさせないと言っていましたが、自分たちがその規格をクリアできず、違法な検査を行っていたことがばれたら、その責任の追及もあいまいに新たにEVと言い出したわけです。更に言うと、ちょっと前まではCO2の排出量を問題にしていたのに(ハイブリッドはOKだった)、最近はハイブリットもダメというか、内燃機関自体がダメと言い出していますね。

要はハイブリッド車を欧州メーカーは作れない(技術的難易度が高すぎる)ので、このままいくと欧州市場も日本車に席巻されてしまうので何とか参入障壁を作りたい、そのためにEV化を進めようとしているんじゃないかと思います(個人の感想です)

ただ全面EV化を進めても日本企業はすぐに対応すると思うので、大した参入障壁にはならないんじゃないかと思います。それに全面EV化になると中国の安いEV車が流入することになるので、欧州の自動車メーカーはより窮地に立つんじゃないかと思いますね。

それに今年の大雪問題でもEV車の脆弱性が危険視されていましたが、現状のEV車では航続距離の問題や充電問題(30分の急速充電で100Kmしか走れない!)がある以上、私はあまり普及しないんじゃないかと思います。実際問題として東京から大阪まで高速を使って行くのに途中で5回くらい充電しないといけないらしいので、それじゃあちょっと無理だよねという感じになるんじゃないでしょうか。ちなみに上記のような実験をしているネット動画がたくさんあります。

ただ、EVが今後もずっと普及しないかといえば、そんなことはないと思います。実際問題として車の制御を考えた場合は間違いなく内燃機関より電気のほうが優れていると思います。過去からの動力の歴史を考えても機関車(蒸気機関)はディーゼル内燃機関)に、そしてモーター(電気)に代わったように最終的には車もEVに代わっていく事は間違いないと思いますが、そのためにはバッテリーとモーター効率の改良が不可欠でしょう。

特にバッテリーは少なくとも現在の4~5倍の容量が必要なんじゃないかと思います。ただ現在の数倍の電気密度のバッテリーは発火の危険性も極めて高くなるでしょうから、それらが解決されない限りEVの本格的な普及はないんじゃないかと思います(全個体電池の普及が待たれるところです)。

ですから現在のCO2削減を目的とした急速なEV化は進まないと思いますが、もう少し長い期間を見ればEV化は確実に進んでいく。そんな所ではないでしょうか。