日本という国の制度疲労

1月22日の産経新聞電子版にGDPで日本はドイツに抜かれて4位になるかもしれないという記事が出ていました。

かつて日本のGDPは米国に次ぐ2位だったのですが、2010年に中国に抜かれて3位になったのはみんな知っていると思いますが、このペースでいくと2023年にドイツに抜かれてしまうという話です。

産経新聞WEB版より(2023,1,22)

基本的に国民の危機感をあおる記事だと思いますが、こうなってしまう原因は日本の経済成長が長年止まっていることに加えて、円安の影響がかなり大きいと言う事であろうと思います(実際長年1ドル100円~110であったものが現在は130円、3割ダウン)

ただ人口が日本より大幅に少ない(日本1.2億人、ドイツ0.8億人)ドイツに抜かれてしまうのは非常に残念という外ないですね。中国に抜かれた時も人口の差があるから仕方がないという論調でしたから、もう何も言い訳できないという所ではないでしょうか。

こうなってしまった原因は色々あると思いますが、個人的には日本という国の仕組み自体が制度疲労を起こしていて、新たな成長が行えない状態になってしまっているのではないかと思っています。

直近で日本の国としての仕組みが大きく変わったのは、第二次大戦敗戦(1945年)によるものですから、言わば78年前と言う事になります。実際には占領期間などもありますから、実質的には70年強という所ではないでしょうか。

そしてその制度疲労の状況として挙げられるのは、まず政治がまともに機能していないという点ですね。一時期を除いてずっと自民党政権が続いていますが、昔はそれでも自民党の派閥間で疑似政権交代が起こって政治の方向性が変わったりしていましたが、現在は首相の交代が起こってもやってることはほとんど変わりません。そして野党がとんでもなくレベルが低いから自民党が選挙で負けると言う事になりませんから、ずっとぬるま湯状態の自民政権が続いて行っているという感じです。

こういう状態が続くとどうなるかというと、結局官僚の描いたレールに沿ってしか動けなくなり、気が付いたら税金ばかりが上がって実質税負担率48%(財務省データ)というとんでもない重税国家になってしまうわけです。1970年の税負担率は24%ですから、実質的に50年間で税金負担率が2倍になっているわけです。こんな状態で生活が楽になるはずはないですよね。欧州では60%を超える国も複数ありますが(アメリカは32%)、社会保障の充実などを見ると、日本はリターンが少なすぎるんじゃね、という感じです。

まあそれでも税金が有用に使われているならば仕方がないと思いますが、残念ながらそうは思えないことが多すぎます。最近オリンピック汚職が問題になっていますが、総コスト1.4兆(実際は3兆円と言われている)のうち本当に開催にかかった費用はいくらなんでしょうか? コロナでは2021年段階で77兆円加えて経済対策で293兆(2022.2月共同ニュース)も使っているみたいです。あまりの額の多さにイメージすることもできませんが、本当にこれだけ巨額な費用が有効に使われたのか検証も出来ていません。

本来政治の役割は税金をどのように使うのかを決めることと、実際にどのように使われたのかを検証することだと思いますが、その本質的な仕事が十分に行われていないような気がして仕方ありませんね。

なんかぼやきが増えてきたのでこれで終わりますが、今の日本は国の仕組み自体が制度疲労で満足に機能していないように感じます。この状況を打開するためには何か超強力な外圧がないとダメなのかもしれませんね。