コストの見方の多様性

すっかり寒くなってきました。

ただなんとなく思うのは、季節感が戻ってきているんじゃないかと言う事です。

数年前までは春と秋が極めて短くて、夏と冬しかなかった感じなんですが、ここ数年は春と秋が戻ってきていて秋は秋なりの楽しみが感じられるようになってるんじゃないかと思いますね。

今日は「コストの見方の多様性」について話をしていきたいと思います。

多くの会社がコストを見ていく場合には決算書のPL(損益計算書)ベースか、原価計算ベースで見ていく場合が多いんじゃないかと思います。まあ実際のところコストを数字で表す場合にはこのどちらかになると思いますが、一般的にコストダウン活動などを行う場合にはPLの費目単位で目標を設定した上でコストを集計したり、比較したりする場合が多いんじゃないかと思います。

ただ注意してほしいのはコストの見方は決してこの二つしかないわけではなく、多様な見方が存在すると言う事です。そしてその見方によって「コストの姿」が変わってくるし、場合によっては今まで感じることのできなかったコストが感じられるようになると言う事です。

コストの見方の多様性

添付した図表の中にその原価の見方のいくつかを提示していますが、その中の「経理的原価分類」が最も一般的なコストの見方で、原材料費や直接人件費、経費などと言う形でコストを分解していくやり方です。

他の分類の仕方は馴染みのない方法かもしれませんが、コンサルティングの場では比較的よく使う分類の仕方であって、目的によって使い分けていく事が基本です。

左から2番目の「お金の流れ分類」とは最終的に資金がどこに流れていくかで分類する方法で、抜本的なコストダウン活動、経費節減活動を行う場合に実施するやり方です。要は最終的にお金がどこに流れているかを示した分類で、外部流出コストとは外部の企業に「支払い」と言う形で資金が流れていると言う事であり、内部消費コストとは資金が社内で消費されていると言う事です。

例を上げると人件費のうち社員の人件費は給与と言う形で社内の人に還元されますが、派遣社員の人件費は派遣会社に流れるだけです。つまり社員の人件費は内部消費コストであり、派遣の給与は外部流出コストになると言う事です。そしてコストダウンを行う場合の基本は外部流出コストを徹底的に削減し、出来るだけ内部消費コストで賄う形をとると言う事です。

例として人件費について書きましたが、人件費以外にも外部流出コストと内部消費コストと言う見方はできるので、色々と分類検討してもらえれば新しいコストダウンの切り口が見えてくんじゃないかと思います。

ちなみに外部流出コストには生産上のミスや生産管理上の仕組みの悪さ、生産計画変更によって発生するロスなどが数多く含まれますから、詳細分析を行えば必ず改善ポイントが見えてくると思います。

次回は「損益分岐点分類」について書いて行きますので、よろしくお願いします。