会社の人員数はどうやって決まる?

新年2回目の投稿になりますが、予想通りオミクロンが増えてきましたね。1か月前に書いたブログでもオミクロンのことを書いていましたが、感染力は強いが病原性は低いというのも諸外国の報道通りのように感じます。そしてマスコミがバカ騒ぎを行うというのも予想通りという所でしょうか。

たぶん後1~2か月くらいはオミクロン狂騒曲が収まらないと思いますが、弱毒化が明らかになって政府の対応は間違っていた(2類から5類相当へ落とさなかった岸田政権が悪い)とマスコミや野党が騒ぎだした頃に終わりになるんじゃないかと思います。周りの声に左右される岸田首相ですから、もしかしたら5類相当への引き下げはもうちょっと早く行うかもしれませんけどね。ただもうオミクロンのことは飽きてきたので、ちょっと別なことを書こうと思います。

今回ちょっと書きたいのは会社の人員数は何によって決まるかという事です。これはなかなか難しい問題ですが、基本的には会社の人員数は仕事量に比例するというのが一般的な答えでしょうが、そのもそも仕事量は何によって決まるのかという事になります。一般的な製造業で言えば、生産数量なのか、生産品種数なのか、顧客の数なのか、という事になりますが、売り上げ規模が大きいと人員数が多いのも事実ですから、これらはそれなりに正解という事になりますが、本当にそれだけなんでしょうか?

コンサルタントとしていろ色々な企業を訪社するわけですが、中には同業種で同じような製品を作っている企業もあるわけです。そして売り上げ規模が似たような企業もあるわけですが、結構総人員数は違っていたりするわけです。人員数が生産量や生産品種数に比例して決まるのなら基本的に同じような人員数なると思いますが、実際には人員数は結構違っていたりするわけです。こうなってしまう原因を別に考えると生産方法やオペレーションの仕方(管理の仕方)の違いという事になるんじゃないのと言う話になりますが、同じ業種、同じような製品を作っているのなら方法自体は大きく変わらないように思います。

そこで何で似たような企業なのに人員数がかなり違ってくるのかを色々と考えたわけですが、そこで1つの答えとして導き出したのが「社内で発生するトラブル数」に比例するんじゃないかという事です。先に会社としての仕事量に比例して人員数は決まるんじゃないのと言う話をしましたが、この仕事量の中身がトラブル処理量ではないかという事です。

たぶん似たような製品を作って、似たような売り上げの会社であるならば、基本的に工場や会社を運営するために必要な人員数はほとんど同じはずだと思います。ただ、実際にそれ以上の人員数が必要になる理由は何かと言うと、人が処理しないといけない仕事が多いという事であり、人が処理しないといけない仕事とは本来のルーチン業務と違ったトラブル処理業務なのではないかという事です。

実際に不良が良く出る会社であれば、不良処理のための人が必要になりますし、不良が出た分だけ再製作が必要になります。また不良が出ると検査を強化しないといけませんから品管の人員も必要になるわけです。同様に設備故障が多いと修理を行う人が必要になりますし、工場の稼働時間も長くせざるを得ないわけです。もしこれが不良がほとんど出ない、設備故障もめったに出ないという工場であったならば、不良処理のための人もいりませんし品管を増やす必要もありません、そして工場の稼働時間を延ばす必要もないわけです。このように本来必要な人員数は同じであっても、トラブル数が多い企業は総人員が増えてしまうという事になるのです。

間接部門であっても例えば生産管理や調達部門の数が異常に多い会社があります。私どもから見ても普通よりも2倍くらい多いんじゃね!と言うような企業は結構あるわけです。そしてそのような企業はもれなく生産計画の変更が頻発していますし、調達の人は朝から外注先に電話をかけまくっているわけです。そうなると現場も混乱しますから、段取り替えをやり直したり、人の手配に四苦八苦しているわけです。まあ簡単に言うと会社の中が混乱しまくっているわけですが、不思議なことにそのような会社の方が仕事終了後の満足感が高かったりするわけです。今日もよく頑張った!!と言う感じなんじゃないかと思います。

逆に管理部門の人の数が少ない会社は、生産計画はスケジューラが勝手に作ってくれるから楽ですよと言う話になりますし、調達もMRPで計画に沿って自動発注してくれますから伝票を確認するだけで終わります、と言った感じなんですね。そしてこれらの違いが何を生み出すかと言うと収益力の違い、いわば利益率の違いを生み出すわけです。

会社の人員数はトラブル数によって決まるというのは、いわば当たり前と言えば当たり前なんですが、案外この事を理解していない人が多いわけです。そういう人が多い会社は先ほどの生産計画の変更が発生しても、どうやってこの状況に対応するかばっかりを考えているわけで、そもそも何で生産計画の変更が発生するの?という根本的な所には思いが至らないわけです。外注先や現場に無理やり生産させるスキルは上がっても、会社の収益率を上げるスキルは全く上がらないのです。

うちの会社は人員数が多いなあと感じている企業は、この辺に注意してもう一度会社の中を見渡してみたら良いんじゃないかと思います。