新商品開発力

先日、ある食品メーカーの社長さんと話をしていたのですが、そこで話題になったのが「コロナで急激にビジネス環境が変わってきた」と言う話です。

事実、食品業界であってもお土産品、テーマパーク関連業界などの需要は大幅に減少し、25~50%の売り上げ減は当たり前と言う状況です。外食系も同様ですし、宅配の増加によって売れ筋も大きく変わって来ています。つまり今まで当たり前と思っていた環境が急激に変化し、何も変化できずにいるとあっという間に置いて行かれる、売上の大幅な減少に見舞われるという事です。

それに加えて(コロナとは別ですが)自動車産業の大幅な変化も予測されています。自動車の販売台数自体が今後低迷(カーシェアの増加、個人所有の減少)することに加えて、EV(モーター駆動自動車)が急速に広まれば、もう日本国内で自動車を作る事は無くなるんじゃないかと言う心配ですね。

 

このような急激な変化が来た時に企業はどうすべきかと言う事を考えて行くと、最終的には変化に対応できる身軽な組織を作っていく事と迅速な経営判断、そして環境変化に即応する形での新商品開発という事になるんじゃないかと思います。

そういう意味では大企業ほど今後生き抜いて行く事が難しくなるんじゃないかと思いますね。まあ私どもがコンサルティングをしていても、大企業の社員や管理職者は危機感の薄い人が多く、会社がこのままずっと存続することに何の疑問も抱いていない人が結構多いですからね(少なくとも自分がいる間は大丈夫・・)。これは大企業の100%子会社にも当てはまります。

 

先に述べた環境変化に即応する新商品開発が重要なのは多くの人が納得することではないかと思います。実際問題として売り上げが急激に減ってきた場合にそれを補う新商品もしくは市場開拓が出来なければ、あっという間に企業は傾いて行く事になります。そういう意味では新市場開拓や事業開発も含めた新商品開発という事になりますね。

ただ注意しておいてほしいのは新商品開発にも2パターンあるという事ですね。

  • 企画型新商品開発
  • 製造型新商品開発です。

企画型新商品開発とは企画先行で今まで作ったことのないような製品を作るという事で、今までの自社製品と機能的に重ならない、もしくは市場的に重ならない製品を作る事がメインの新商品開発(新事業開発)という事になります。

それに対して製造型新商品開発とは、基本的に現在の商品の延長線上にある商品開発で、顧客の要望に応えるために改良した新商品、OEMやPBなども含まれます。いわば企画主導ではなく顧客ニーズ主導の新商品開発ですね。

今回の話で重要になってくるのは企画型新商品開発という事になります。一般的な新商品開発では「何を作るか」が最重要ポイントですが、企画型新商品開発では「どんな市場に」「どんなサービス(機能)を提供するのか」が最重要ポイントであり、それを満たすための商品を企画し商品化して行くという流れになります。そういう意味では難易度が高い新商品開発ですね。

 

ただ先に述べたように、市場に大きな変化が起こった時に迅速に対応していくためには、この企画型新商品開発力を常日頃から上げて行く事が必要なわけです。特に日本企業ではどちらかと言うと製造型新商品開発(顧客ニーズ対応型)は非常に素晴らしいものを持っています(技術開発力を含めて)が、自ら市場やニーズなどを考えて行く企画型新商品開発は苦手にしている企業が多いように感じます。

そういう意味で今後はこの企画型新商品開発力を上げて行く事が必要なわけですが、この企画型新商品開発に関しては次のブログで説明して行きたいと思います。

 

 

ちなみに今回この企画型新商品開発の研修を行いますので、興味のある方は参加してもらいたいと思います。Web使用の半日×6回のセミナーです。

 

企画型新商品開発研修