成果報告会に行きました。

昨日、午前と午後で2社の成果発表会に参加しました。午前中はWebで、午後からはリアル参加です(企業先で直接発表を聞くのは久しぶりです)。

午前に聞いたクライアント企業さん(一品受注型の製品を作っている)では設計改善を行って2年半が経っているのですが、標準化がかなり進んでおりそれに伴って設計効率も上昇しているようでした。チームによっては顧客との連携も取れ始めており、改善成果がしっかりと定着しはじめているようです。

またこのクライアント企業さんでは受注前の段階での情報収集、営業・設計間の連携に力を入れており(当社では受注前活動改善と呼んでいる)、上流段階で情報をしっかりとることによって下流工程(詳細設計)での混乱、手戻り、やり直しを防止し、設計効率が上がるような取組を行っています。当然ながら先に述べた標準化もこの動きに連動したものであり、標準化と事前情報入手で設計効率向上を実現しています。

同時にやっていることとして負荷管理と平準化がありますが、設計の場合は細かな日程管理を嫌う人もそれなりにいて進みにくい傾向があるのですが(まぁどこの会社の設計部門でもこのような傾向がある)、このクライアントさんでもそのような傾向は表れています。ただこのクライアントさんでは管理職が日程管理の目的と重要性をしっかりと理解しているので、遅いながらも確実に進んでいるようです。それに最近では設計の日程管理にも使えるようなITツールも色々と出ているので、比較的簡単に導入できたようです。

この日程管理というのは昔からあるし多くの人が知っていますが、これを確実に行えている企業は非常に少ないように感じます。まず日程管理をしっかりと行うためにはそれなりに精度の高いスケジュールを作れないことには始まりませんが、ここが出来ていない企業が多いんですね。それは精度の高いスケジュールを作るためには、設計上で行う各仕事がどれくらいの時間がかかるのかを知っていないとダメなわけです。製造でいうところの標準時間とは違い精度も範囲もかなりラフですが、この基準がないと案件ごとの設計時間や作業時間が見積れないわけです。

当然ながらこれらの時間がベースになって設計負荷を計算し、負荷調整や平準化を行っていくわけですから、この時間基準は非常に重要なわけです。そしてこの時間基準を作るためには日々の実績を記録することが必要ですし、各々のスケジュール(目標時間)に対して進捗を管理(記録)し、掛かった時間を精査してより精度の高いものを作り上げていく必要があるわけです。ですからスケジュール管理、日程管理といっても奥は相当深く、やり方によっては非常に大きな成果にもつながるし、ただやっているだけで何の効果も上がらないやり方もあるわけです。

実はここら辺が非常に説明が難しいんですね。私どもが企業さんに対してよくスケジュール管理は重要ですよという話をしますが、その背景にはこのような話があるわけです。ですから「その位当然やってますよ」と言われてもどの程度やっているかは細かく聞かないと分からないわけですし、その企業での管理状況を見て「もっと日程管理を強化しましょう」という話をしたときに「そんな当たり前のことをいまさら言われても・・・」という反応になったりするわけです。

知っている人も多いと思いますが、改善の第一歩は「見える化」なんですね。実際問題として問題点が見えるようにならない限り改善には着手できないわけです。今回お話ししたスケジュール管理も見える化の1つであり、どの程度まで「見える化」するかによって対策も変わってきますし、それによって得られる効果も違ってくるわけです。

今回のクライアント企業さんの日程管理(設計)は当社で指導するなかでは標準的なレベルですが、それでも大きな効果を生んでいます。大切なのは途中で止めずにしっかりとやりきることです。設計の改善手法も今回言及したスケジュール管理、標準化、平準化以外にもたくさんありますが、大切なのはしっかりとやり切ることですね。そうすれば必ず成果はついて来るもんです。

話が長くなったので、午後からの企業の話はまた後日書きたいたいと思いますので、よろしくお願いします。